彼女が知らないことをしゃべるには


男の中には、女性と話すとき、墓穴を掘ってしまう人がいるらしい。

どうしても男って、自分が知っていることを話すと、
女性って喜んできくものだと誤解している。

その誤解の典型の話をレナさんに教わった。
それは、こんな話。

「ね、レナさん、これ知っているかな?
ほら、映画でも大ヒットしたタイタニックって船の話。
あの船、本当はタイタニックじゃないんだって・・・」

ここから延々、タイタニックの話が続く。
で、最後はこうなる。

「だから引き上げられた船のネームプレイトには、
タイタニックじゃない別の名前が書いてあったんだって」

彼はその話を本当に得意げに話す。
楽しい話題だと思って話しているのがありありと分かる。

「へぇ~、そうなんだぁ~」
って、レナさんは言ったそうな。
でも、本当にこう思っていたんだって。

「それが何か?そんな話ちっとも面白くないっ」

完全に彼の会話は空回りしているんだ。

女性との会話において重要なのは、共感だってよく言われる。

「あ、知ってる知ってる!」
こういう風に言ってもらえる話の方が、
「知らなぁ~い」って言われるより、ずっと女性が喜ぶ会話になる。

それは僕も知っていたから、そんなタイタニックの話なんてしないんだ。

でもさ。
実は昨日、僕もやってしまいました。
相手の女の子が知らない話をしちゃった。

その女の子はガールズバーの女の子。

「ね、今日は何の日か知ってる?」

3月19日。
何の日か知っている人はほとんどいない。
実は、僕も知らなかったんだけど、
昨日テレビでやっていたから知ったんだけどね。

ま、そこは知らないだろうなぁと思って話を始めた。

「えっ、何の日?」

「山田康雄の命日」

「山田康雄って誰?」

「えっ、知らないの?ほら、ルパンの声をしていた人」

「ルパン?あ、名前は知ってる。でも見たことない」

「ええっ~」

彼女は19歳の女子大生。
そうかぁ、いまどきの19歳はルパンを見たことがないのかぁ。

ちょっとジェネレーションギャップを感じてしまった。
でもさ。
話したいからさ、ルパンを名前しか知らない彼女に話しちゃったワケ。

これじゃ、タイタニックとあまり変わらないかもと思いつつ・・・

「ルパンって言うのはね、僕の子供の頃にはいつも再放送をしていたアニメなんだ。
僕くらいの歳ならみんな知っているんだよ」

「へぇそうなんだ」

「最初のルパンっていうのは、50話くらいなんだけど、
すごく好きでさ、その声をやっていたのが山田康雄なんだ」

「そうなんだぁ~」

うーん、彼女のテンションが上がらない・・・知らない話だもんね。

「ルパンって言えば山田康雄、山田康雄って言えば、ルパンって
言われるくらいハマリ役だったなんだ」

「へぇ~」

「だから彼はルパンの声をやっていると言わずにルパンを演じているって
言ってたんだって」

「へぇ~」

「そのくらい打ち込んでいて、第二シリーズが始まったら、
もう、ルパンのキャラは山田康雄が作っていったとこが多いんだって。
『ふーじこちゃん』なんてセリフは彼のアドリブでできたみたい」

「あ、そのセリフ聞いたことあるっ」

「あ、知ってた。よかったよかった」

ちょっとは知っていてくれて、ほっとしたぁ。

「で、第二シリーズの後、ルパンが映画になって大成功。
問題は、次の映画のとき」

「なにかあったの?」

「その映画の監督が言ったんだって、
『今度のルパンははっちゃけた感じじゃなくて、
落ち着いた感じでお願いします』って、山田康雄にね」

「そしたら?」

「山田康雄が怒ってしまったらしい。
『俺のルパンに注文つけるならやらないぞ』って」

「うわっ」

「監督と声優、どっちもプライド持って自分のルパンがあるワケ。
ぶつかりまくだって」

「大変っ」

「あ、その時の監督って誰だか分かる?」

「知らない」

「宮崎駿」

「ええっ、宮崎監督ってルパンやってたの?」

「あ、やっぱり知らないかぁ~。
カリオストロの城って知らない?」

「知らない」

「うーん、知らないかぁ、ルパンのカリオストロの城が
宮崎さんが始めて手がけた映画なんだよ」

「しらなかったぁ」

「宮崎さんと山田康雄の確執・・・どうなったと思う?」

「うーん、うまくいかなかったの?」

「えっと、アニメってさ、パイロットフィルムをまず作るんだ。
こんな感じの作品にしますってことで。
で、出来上がったパイロットフィルムを見て、山田康雄がいったんだって」

「なんて?」

「私にこのルパンをやらせてください。
どんな指示でも出してください。
なんでもやりますから、私にやらせてください」

「うわぁ、すごい」

「そのパイロットフィルムには、山田康雄が『こんなルパン見たい』と
思っていたルパンがいたんだって」

ふぅ~。

会話にすると、やたらと長いなぁ。

ほとんどルパンを知らない彼女に、僕がテレビで見たこの話を
伝えるのは、ちょっと手間取ってしまった。

でも、僕が感じた「くぅ~」っていう感じ。
彼女にもちゃんと伝わったみたい。

よかったぁ~。

さてさて。
話は、元に戻るね。

相手の知らない話。

で、自分、いいな、面白いな、と思った話。

どうやって、話すと伝わるか、
その実例をちょっと披露してみた。

知らない話をするとき、一番注意しないといけないは、
どうやって、相手の興味を引き出すか、なんだよね。

「カリオストロ、最高だよね」
で伝わる同士なら、この話、簡単に伝えられる。
でも、カリオストロを知らない相手だとちゃんと会話を組み立てないと、
楽しい話にならない。

タイタニックと同じで、「それが何か」って言われてもおかしくない。

ま、ルパンを名前だけしかしらないと分かった時点で、
この話をやめちゃうってのもひとつの手なんだけど、
この話、どうしてもしたかったんだ。

だから、途中途中、知らなくても興味が出るように話し方を工夫した。

最初から順番にルパンと山田康雄の話をしていって、
宮崎さんを出す。

さすがに宮崎さんは良く知っていたけどね。
今、知らない日本人の19歳はいないと思うけど。

やっと、知っているが出てきて、話は盛り上がって、
今日初めて聞いた、山田康雄と宮崎さんの裏話。

そこにいたるまで、ときどき間を空けているんだ。
彼女が興味を持ってきいてくれているかって。

彼女の話す感じで、「知りたい~」って思ってくれているかチェックしていた。

あんまり知りたいって気持ちがない感じられないときは、
知りたくなるように話を回り道してみたりして。

相手が知らない話をするときは、
この「知りたい」って気持ちをどうやって引き出すか。

そこがポイントなんだ。

それができると、楽しい会話ができるようになるんだよねっ。

カテゴリー: モテる法則 | 投稿日: 2017/12/12 | 投稿者: Editor