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アートなデート。
そんな話をしようきめたのは、
もちろんアートな旅行に行ってきたから。
ひとりじゃなくて、おんなづれでね。
正しくはちょっと違う。
おんなにつれられてアートなデート旅行。
「天野さん、メルマガ読みましたよ。
アートな旅行とか言いながら、どうせ、しょーもないモノに
興味を持って、おバカ旅行だったんじゃないの?」
ど、どうして、そんな見てきたようなリアルな話を
するんですか!
なんてね。
これを昨日行ったのは、2年間一緒に仕事をしつづけた木戸さん。
僕の考えることなんてお見通しなんだよね。
だから、アートなデート旅行と言っても、信じてもらえない。
でも。でもでも。 ・・
本当にアートな旅行でも、あったんだから!
元々はこの旅行、彼女の方から言ってきた。
「こんぴら歌舞伎のチケットがとれたから、四国いきましょ」
彼女も興味あることにはまっしぐらっていうタイプで、
歌舞伎の様な伝統芸能から近代美術や建築まで。
アートみたいな世界を普通に生活に取り入れている。
一緒に美術館とか博物館とか、行ったことがある。
でも、四国とは随分と大掛かりな場所なんだよね。
で、僕はその申し出に「わかった」と答えたんだ。
これは、デートを組み立てるときのひとつのテクニックなんだ。
相手の興味にのるってテクニック。
もし、あなたが興味がないことでも、
彼女が好きなことなら、興味を持ってみようというわけ。
だって、女の子って自分が興味持ってることに
興味を持ってくれる男に好感を抱くものなんだ。
デートにしても、彼女の興味でセッティングするのも、いい方法。
ただし、そのとき、ゃってはいけないことがひとつある。
それが勉強なんだ。
今回、こんぴら歌舞伎を四国に見に行くって決まってから、
彼女はもうひとつ行くとこを追加した。
それが、『直島』なんだ。
直島と聞いて、はじめ僕はどんなとこか分からなかった。
でも、彼女がそこに行きたいって思ったのは、僕が原因らしい。
彼女と一緒に美術館に行ったとき、僕は一冊の雑誌を買ってきた。
「全国美術館ガイド」なたいな雑誌。
その雑誌に直島の美術館が載っていた・・・らしい。
「ほら、前に『ここ行きたい』って雑誌みながら言ったじゃない。
でも、あるのが四国ってわかって、あきらめたの」
そんなことで直島のホテルを彼女が予約・・・高いんだこれが!
ふたりで一泊3万円以上もする。
食事なしで、朝食だけ追加したら、なんと4万円になっちゃった。
僕って、旅行代金節約するバックパッカー的な癖があって、
このときの飛行機と一泊の料金がふたりで4万4千円のを
予約しようと思っていたんだ。
「た、たかい!」と思ったけど、そこはアートなデート旅行。
けちけちしないでオッケーした。
そんなんで始まった四国旅行。
実は隠れテーマもあった・・・僕のアイデアのね。
それは、讃岐うどん。
今流行っているんだよね。その元になったのが『麺通団』の本。
その本を読んで、香川にあるという、妖しいうどん屋さんに行きたいって
思っていたんだ。
だから四国旅行と言われてオッケーした。
あ、僕はアートじゃなくてうどんな旅だったの。
ま、それはそれで4回の昼ごはん、有名なうどん屋体験して
なっとくしたんだけど、それはおいておいて。
今回の一番のポイントは、直島。
この島、本当にアートが溢れた島なんだよね。
ごく普通の過疎になりかけの島に、「日常にアートを」とか
言って、ベネッセが美術館とかアートな宿泊場所とか。
そんなものガンガン建てた。
その結果、現代アートと、昭和レトロ、それも作ったものじゃなくて、
本当に昭和から残っているようなものが共存する島になった。
そこで、生活するとアートが当たり前に身近にあるってことを感じて
しまい、自然とアート感覚が身につく・・・かもしれない。
そんな島。
ちなみに4万も出して泊まったとこは、安藤忠雄の設計なんだ。
と言っても、安藤忠雄って知らない人も多いよね。
僕も知らなかったから。
ちょっと紹介すると、今回の都知事選を生み出した理由になっている人。
なんで石原慎太郎と黒川紀章が敵対したのか?
元々は仲がいいふたりだったはずなんだよね。
そのあたり、答えられる人いるかな。
それはね、安藤忠雄が関係している。
東京オリンピックを誘致するのにあたって、前の施設を使って
ローコストなオリンピックにするって石原さんが言っているでしょ。
その基本設計を頼んだのが、安藤忠雄って訳。
黒川紀章と安藤忠雄って、基本的にライバル関係。
それも、日本の建築会の元の大御所が黒川さんだとすると、
今の大御所は安藤さん。
「あんなの建築じゃない」って黒川さんは安藤さんの作った
ものを言っているらしい。
最近の作品は表参道ヒルズで、次は新東京タワー。
これだけで、今の大御所だっていう意味が分かるよね。
ちなみに、この話は彼女に聞いた情報と、
ネットで調べた情報と、僕の想像で書いたことだから、
あちこち間違っているかもしれないから、要注意。
ま、だいたい、そんな安藤忠雄が作ったホテルに泊まったんだ。
これがまた、好き勝手に作ったんだろうなぁというとこ。
直線と斜めとコンクリートうちはなしが好きな人みたいで、
あちこち安藤さん作の建物があった。
たしかにそんなとこにまる一日いると、アートな気分になってくる。
でも、本当にアートを感じたのは白コーン。
なんだか分かるかな、白コーン。
ほら、道路の工事中のとき、赤い三角なの立てるじゃん。
あれは、コーンって言うんだ・・・それの白いのが白コーン。
形はイメージできるだろうけど、なにがアートなのかわかんないよね。
まず僕が白コーンに出会ったのが、直島に向かうフェリーの中。
高松から直島まで1時間の船旅なんだけど、ただの船じゃない。
ちょっとだけアートが入った船なんだ。
旅客のための座席の舳先に一番近い場所に彫刻がおいてある。
一緒に直島に関する資料も並べてある。
その資料を置いてあるのが2つ白コーンの上に、丸くアナを
空けた白板を渡して作ったテーブル。
「うまいこと考えるなぁ」とそのときは思ったんだ。
でも、ま、王様のアイデアレベルだと思っていた。
ところが、船を下りたら。
「な、なんじゃこりゃぁ?」
白コーンの大群が待っていた。
数えてみたら800本くらいが縦横にキレイに整列していた。
これは・・・アートだなぁ。
その後、安藤忠雄の設計したホテルに行くんだけど、
ここにも白コーンがあった。
ホテルのおみやげ屋さんに、白コーンの横っ腹に丸く穴をあけて、
そこにパンフレットを差し込んでいた。
これがまた、おしゃれ・・・おっと違う・・・アートなんだよね。
その後、ホテルの前のアートな広場とビーチに行ってみた。
ホテルの前には広大な芝生の広場があって、
そこにアートな作品が点在している。
あ、ちなみに一緒に行った彼女は、アート感覚をはじめから持っている人。
どうも、そうらしい。
それは今回のアート旅行で僕が納得したことのひとつなんだけどね。
そこにあるアートな作品を見て、言うんだよね。
「うーん、あんまり好きじゃない・・・たいしたことなさそう」
僕からすると、よく知らないけど、たぶん有名な人の作品・・・なはず。
それなのに彼女は、「たいしたことない」みたいな事を言う。
僕は混乱しちゃった。
ま、いちよう一枚のアート展示物マップみたいなのがあるから、
その順番にしたがって、アートな作品を見てみた。
その中のひとつが「桟橋においた黄色い斑点のかぼちゃ」。
直島のひとつのシンボルになっている作品。
フェリーのついた港にもセットになる作品があって、
そっちは「赤い斑点のかぼちゃ」。
その写真を見て、彼女は言うんだよね。
「なんなのこれ」
妙に嫌うが面白くなって、直島に行くまで
「かぼちゃ、かぼちゃ」って言っていた。
で、彼女と一緒にかぼちゃにご対面。
「あ、でも本物は嫌いじゃない」
なんだなんだ・・・つまんない。
もっと嫌がるのかなと密かに楽しみにしていたのに。
「この人の作品は写真に撮ると変になっちゃうみたい。
立体だと嫌な感じがしない」
うーん、アートな感覚って僕には、どうも分からない。
僕が分かる事といえば、白コーン。
ここにもいるんだよね、白コーン。
すっかり白コーン探しが楽しくなってきてた。
ここの白コーンの役目は、案内板。
『┌→』が白コーンの上についていて、「ベネッセパーク」なんて書いてある。
こっちが僕らが泊まるとこだって分かる。
芝生から先はビーチになっていて、
いろんなアート作品が並んでいる。
どれを見ても彼女は、「???」って顔をするんだよね。
なんで、そんな顔をするのか聞いてみると。
「この大きな枡の上に載った茶碗みたいな作品。
もっと、茶碗は端っこに寄せた方が緊張感が良くなると思うの」
うーん、わかんない。
でも、彼女が納得していないことだけ分かる。
ま、白コーンじゃないから、気にせず次へ行く。
アート展示マップによると、このへんにひとつあるはずなんだけど・・・。
みつかんない。
元々細かいこと書いてなくてあなたがみつけてね。
みたいなマップだから、下手をすると見逃すようなものなんだ。
「あ、あった!」
坂になっている道の下にガレージみたいなものがある。
そこに、背丈くらいある大きな玉がふたつあった。
それみて、彼女が反応した。
「これ、すごい」
何がすごいのか良くわからないけど、
面白いのは僕も感じる。
ふたりの玉とその左右に3本の真鍮の柱が2セット。
「えっと、この玉と柱はひとつの作品なの?」
「もちろん」
なんて、ひとつの作品だと思うのか聞くのはやめた。
彼女がそういうってことは、たぶんそういうことなんだろう。
そう思ってみることにしている。
だって、僕じゃどう考えてもおいつきっこない、
アート感覚の持ち主だから、彼女。
そんなことしながら、次の場所に移動。
アート直島のメイン、地中美術館。
地下に美術館を作ったらしい。
安藤忠雄さんが3人の芸術家のために。
そのうちのひとりがモネ。
さすがに僕だって、モネくらい知っているぞ。
なんか、きれいなおねぇさんの絵で、周りが花で一杯。
そんなイメージをモネって絵描きさんに持っている。
あとのふたりは知らない。
で、その地中美術館にいく途中。
ありました。
白コーン。
それも双眼鏡付き!
彼女は早速覗いてみてる。
その白コーンに書いてある言葉が最高!
「おかめの鼻」
やるなぁ・・・アートだぁ?。
あ、説明すると、双眼鏡を覗くと鼻が白コーンにぶつかるんだ。
で、ほこりがつくから、おかめの鼻。
これは、アートなのかな・・・トラップなのかな。
なんて、アートトラップを過ぎて
すこし行くと地中美術館チケット売り場。
そこでチケットを買って、地中美術館の入り口に向かう。
途中道路が工事中なとこがあって、そこにあったのが赤コーン。
これはアートじゃなくて実用品。
その先に小さな花壇があったんだ。
それを見て、彼女がまた反応する。
色とりどりの花が咲いているきれいな花壇。
彼女はこんなことをいった。
「あ、モネの庭!」
最初意味がわからなかったんだけど、
彼女の説明で分かった。
モネの絵に出てくるような庭なんだ。
ベンチがあって、きれいな花で溢れている。
ちょうど季節は春。
一番お花が咲き誇る季節。
本当にモネの庭にたいにキレイさ。
「ここはモネの庭です」
近づいたら、ちゃんとそんな説明書いてあるんだよね。
すごい!ちゃんと分かるんだ。
で、地中美術館に入る。
いやぁ、ここ、ほとんどダンジョン。
安藤さんが好き勝手作ったっていうのがよくわかる。
幾何学的だったり、斜めだったり、光がうまく差し込んでいたり。
自分が何階にいるのか、どのあたりにいるのか分からなくなる。
ま、そんなことを考えないでアートにひたりましょうって
コンセプトだと思うけどね。
階段代わりのスロープがいかにも安藤さんって感じ。
スリットが好きで、コンクリートうちはなしが好きで。
そんな好みがガンガンと伝わってくる。
あ、べつにアート感覚じゃなくて、ロジカルな判断でわかるんだけどね。
で、ここでまた、大きな玉に遭遇。
同じ人の作品だって、さすがの僕だってわかるぞ。
なんとかマリアさん。
三人の芸術家のうちのひとり。
こっちの方が大規模。
すっごく大きな部屋に玉と真鍮の3本柱。
三本柱は、やたらと一杯あって、数えなくても、
僕には、いくつあるかわかった。
彼女はアート感覚的にわかったけど、僕は数学的にわかった。
別々の理解の仕方だけど、答えが一致するのは面白いね。
そのあと、光の魔術師、タレルさん。
彼の作品はあんまり解説なし。
もし、これから行こうとしている人がいたら、
面白さなくなっちゃうから。
びっくりするよ、タレルさんの作品って。
「だ、だまされた」
ってアートなトリック満載。
ま、これ以上は内緒。
最後はモネの部屋。
きれいな絵を期待していたのに、
あったのは地味な絵が4点ほど。
睡蓮っていうシリーズらしい。
たぶんすごい絵なんだろうということで、
しばし鑑賞。
・・・わかんない。
なにがいいのか、わかんない。
色鮮やかな、モネの庭の絵ならちょっと分かると思うんだけど、
地味な睡蓮じゃなぁ・・・と思っていたら。
びっくりした。
水面が見えてしまった。
たった1枚の絵だけど、その絵に描かれたている水面と、
その下の水の流れが見えてしまった。
「えっと、この絵、睡蓮の浮いている水面と・・・」
一様、自分がみたものに自信がなかったから、
彼女に確かめてみた。
「そうそう」
ま、ごくありたまえのように彼女は言うんだけどね。
「それよりも、こっちの絵はね」
解説してくれるんだけど、そう見えない僕。
ぐっすん。
一枚しかわかんない。
でも、初めてアートが分かったぞぉ。
それも数学じゃなくて、アート感覚で。
ちょっとうれしくなった地中美術館でした。
そんな感じで僕にとっては、アート直島ってとこは、
白コーンと、アート初体験の島になったんだ。
その後も、うどん食べに自転車で行って、
あやうく、本題のこんぴら歌舞伎の開演に遅れそうになったり、
せっかく、こんぴら歌舞伎の初日パレードがあったのに、
気がつかないでこんぴらさん参りしたり。
あ、それから高松市にある栗林公園。
この庭園の公園もすごいこだわりのアートなとこ。
50年かけてつくったんだろうと思われる松の生垣とか。
すごいすごい。
骨付き地鶏が、あつあつだったとか、瀬戸内のイカは
ねっとりしてうまいとか。
あと、琴電・・・かわいい電車なんだけど、ちょい鉄が入っている
僕はとってもうれしいかった。
とにかく、アートでおいしくハプニングたっぷりの旅行だった。
最後の日には、「これってアートなの?」。
高松市街地のアーケード街をあるいているときに、
アートっぽいものをみつけると彼女に聞く。
すると、答えてくれる。
「あ、これはドンキホーテ」
別にディスカウントショップをアートだと思ってきいたわけじゃない。
銅像の馬二匹いて、旅たちってタイトルが書いてあったから聞いたんだ。
「えっ?何それ?」
「だって、この子、ロシアンテ、でしょう?」
ま、彼女があたりなんだけどね。
説明プレートを読むとたしかにドンキホーテのお話から旅たちシーンを
主人公とその相方を省略して表現したアート作品らしい。
そんなの分かるか!って文句いいたけど、
わかる人だっているから、しかたないか。
「じゃ、あっちのぶつぶつはアートでしょ」
アトリエって書いてあるガラスのドアに赤い水玉。
僕だって、アートだったことは予想できるぞ。
「あ、かぼちゃの人」
はいはい。
そのとおり、かぼちゃの人のアトリエでした。
中入ってみたらかぼちゃの絵や、ぶつぶつの絵が一杯。
高いんだよね、そこで売っている絵。
100万円だって・・・論外。
奥にテーブルがあって、なんだか偉そうな講釈をたれている
おっさんがいる。
さっさと退散。
その後で聞いてみた。
「あの人がかぼちゃ作った人だよね」
「そう。でもあんまり、本人も絵も・・・」
ま、最後までアートだった。
最後のおやつは、寺岡餃子で、おいしかったけど、
アートではないけどね。
あ、もうひとつおまけ。
直島から帰るフェリーの中。
彼女が僕が白コーン、白コーンって言うから、
メモ用紙をうまく丸めて、白コーンのミニチュア作ってくれた。
それに僕が「naoshima standard2」って
ロゴを入れた・・・白コーンにはみんなそのロゴ入っているんだ。
窓枠のとこにおいてきたんだ。
次に乗った人、その白コーンに気づいてくれたかな。
ありゃりゃ。
女性の感覚に乗って、デートを組み立てるって話を
しようと思ったら、ほとんど旅行記になってしまった。
ま、僕も彼女も満足なアートデート旅行だったから、
僕の目から見たアート体験を書いてみました。
こんなデートは本当に楽しいよん。
もし、僕の話を読んで、ちょっと直島やアートに
興味持ってくれたら、うれしいな。
僕の興味に乗って、誰か女の子をアートなデートに
誘うのもオッケー。
使いやすいのが2つなか。
「安藤忠雄が作ったという表参道ヒルズにいかない?」
「安藤忠雄って誰?」って聞かれたら、もっともらしく、
僕がした都知事選の話をしよう。
もうひとつがモネ展。
7月2日まで六本木にある国立新美術館でやってる。
こっちは、鮮やかなモネの庭もあるみたいだから、
わかりやすいと思う。
おっと。
忘れていた。
アートなデートをするための心得。
勉強しないこと。
アートは頭を使った時点で負け。
感覚で見なきゃいけないんだ。
知識っていうものは、間違いなく邪魔をするよ。
だから、「ちょっと面白い」程度でアートなとこに
行ってみる。
デートだったら最高。
で、あなたなりのアートをみつけてね。
白コーンはないけどね。
以上アートなデートの組み立て方でした。
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